LGBT理解増進法案、見送り
5月には、性的マイノリティーへの理解を進めることを目指した「LGBT理解増進法案」の国会提出が見送られている。自民党内での反発が強かったためだ。
そもそも当事者たちが求めてきたのは理解増進法案ではなく、他の先進国と同等の「LGBT差別禁止法案」だった。現在差別があるからこそ苦しんでいる当事者らからは、差別の存在を曖昧にする「理解増進法案」に対して厳しい意見が飛んでいたが、その理解増進法案さえも提出されることがなかったのである。
5月に行われた自民党内会合においては「法を盾に裁判が乱発する」「道徳的にLGBTは認められない」「人間は生物学上、種の保存をしなければならずLGBTはそれに背くもの」といった発言があったとも報道された。
法案の見送りに抗議するために5月末には自民党本部前で抗議デモと24時間シットインが行われ、多数の当事者がスピーチを行った。
また、同性婚が認められないのは憲法違反だとして法改正を求めるなど同性婚訴訟も各地で続いており、2021年12月下旬には北海道で同性カップル3組による訴訟の控訴審が始まっている。