◇人間失格の烙印「人としてどうなの?」

「自販機の釣銭に100円玉残ってたから、そのまま使ったけどね」と言ったことに対して「うわ、モラル的にどうなの?」と言われると、「やばい、変なこと言った」と焦って発言を取り消したくなる。

 ほかにも、ちょっとしたことに対して「人としてどうなの?」「品性を疑う」「ないわー」「引くわー」「終わってる」などと言われるとモヤモヤするし、「ごめんなさい!」と謝りたくなる。

 これらの場合、たいていは相手が大げさに反応しただけかもしれない。しかしよく考えてみると、「人として」という言葉には自分の「道徳(モラル)」を問いただすニュアンスが込められている。だから謝りたくなるし反省したくなるのだ。

 気をつけなければいけないのは、「人として」という言葉は「女子のくせに」や「日本人なのに」などの決めつけワードと同じ「偏見」に通じる含みがあるという点だ。

 こうしたもの言いには「そっかー、私はやっちゃうなー」と「Iメッセージ」で受け流そう。「感覚が違うだけー」と心の中でつぶやきながら、一目散に逃げてしまうのも手だ。

◇戦力外通告の「あ~いいよ、大丈夫」

 手伝いを申し出たら「あ~いいよ、大丈夫。オレたちでやるから」との返事が来る。手伝いがしたくて申し出たのに、「余計なことはするな」と邪険にされたようでさみしいし、「あなたは使えない」と戦力外通告された感じがして悔しくもある。さらには自分だけ手伝わないという居心地の悪さもある。

「あ~いいよ、大丈夫」には二つの理由が考えられる。一つは戦力外通告だ。慣れない人がやるより自分でやるほうが速い場合だ。これはもうどうしようもない。

 もう一つは自分の領域(テリトリー)に立ち入ってほしくない場合である。相手は自分の仕事を取らないでほしいと思っているため、何もしないのが正解だ。

 こんなときは「サブ」に回って自分ができることをするといいだろう。「何もしてなかったわけじゃないんですよ」というアピールにもなる。