一読のすすめ

 本書を通して読むと、日常生活にはこんなにもモヤっとする言葉があふれているのかと愕然とする。意識していなくても、きっと心の隅で傷つき、悲しみ、自尊心を傷つけているケースがあるはずだ。

 相手を尊重するのも大事だが、自分だけ我慢していては「よりよい人間関係」「よりよい人生」は手に入らないだろう。自分の心だって他人の心と同様、大切にされるべきである。

 本書には他にも「君のためを思って」「私だってそうだった」「あなたはいいよね」など、モヤモヤする「無神経なひと言」へのてき面な対処法が満載だ。無意識に「無神経なひと言」を放ってしまっているかもしれないと気になった方も、自分の言葉遣いを見つめ直すのに適した内容となっている。ぜひ手に取って、相手も自分も尊重しながら穏便にやり過ごすコミュニケーションの極意を知ってほしい。

評点(5点満点)

総合3.5点(革新性3.0点、明瞭性4.0点、応用性3.5点)

著者情報

 五百田達成(いおた たつなり)

 作家・心理カウンセラー
 東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て独立。現在は「コミュニケーション×心理」をテーマに執筆・講演を行う。幼少期から「言葉」に繊細で、「人の気持ち」に敏感な性格。そのせいで、人間関係に振り回されがちな思春期を過ごすが、結果的に「ちょっとしたひと言がもたらす効果」「人づきあいがラクになる考え方」について独自の視点とメソッドを確立するにいたる。日常生活ですぐに使える「話し方アドバイス」が人気で、『超雑談力』『話し方で損する人 得する人』『察しない男 説明しない女』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)などベストセラー多数。累計部数は100万部を突破している。「スッキリ」(日本テレビ)、「この差って何ですか?」(TBS)などメディア出演も多い。言葉のセンスを磨くオンラインサロン「おとなの寺子屋~文章教室~」が話題。

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