◇イライラさせる「言ってる意味わかる?」

 説明の途中などで「言ってる意味、わかる?」「追いついてきてる?」などと言われるとイラッとする。それは、相手が自分をバカにしているのがわかるからだろう。

「バカにしないで!」と思いつつも「私の理解力が足りないのかな?」と不安になったり、わからないけどわかったフリをしてパニックになったりしてしまうこともあるだろう。

 相手に話が伝わっているかどうか、確認すること自体はいい。問題は、まるで「わからないお前が悪い」とでも言わんばかりの言い方にある。

 話し手が確認すべきは「聞く側の理解力」ではなく、「話す側の伝え方」である。「この伝え方で大丈夫?」「わかりにくくない?」と聞くべきなのだ。

 わからないことは恥ではない。むしろわかるように話す責任は、話し手にある。それがコミュニケーションの大前提だ。

◇妥協感の漂う「~でいいよ」

「最初何飲む~?」「ビールでいいよ」「自分もビールでいいです」の「で」が気にならないだろうか。なんとなく「他人事っぽさ」を感じさせる言葉だ。

「~でいいよ」という言い方は、こちらの提案に対して「それしかないなら、それで……」と、しぶしぶ了承する雰囲気が漂う。「おやおや、そんなことで一生懸命で、大変ですねえ」と言われているような、悲しく、寂しい、いけすかない感じさえする。

 夫婦間の「夕飯、何がいい?」「なんでもいいよ」という会話も同じだ。妻にとっては「一大事」なのに、夫が「他人事」のような返事をするから、ケンカになる。誰だって自分が大切にしているものを軽く扱われると傷つく。

「ビールが飲みたいな!」などと前のめりの姿勢で言ってくれるほうが気持ちいい。引き気味の相手には「どうしたいですか?」「私にとっては大事なことだから一緒に考えてほしい」と思い切って伝えよう。