会社にとって、働く人にとってもコスパが悪い!

 日本ではどうでしょうか。2000人の企業の従業員を調査した研究では、プレゼンティーズムをスコアリングし、点数が高いほどうつ病や精神病による欠勤率が高かったというデータがあります(※2)

「調子が悪いから休んだほうがよい」という単純な話ではありませんが、結果的に会社のコストを増やし、自身のうつ病などのリスクも上げてしまうプレゼンティーズムには早めに手を打っておく必要があります。

 働く本人も調子が優れない状態で仕事をし続けるのは苦痛でしょうし、会社にとってもコスパが悪い。誰も得をしない状況になってしまう恐れがあります。

 例えば学生時代の試験勉強でも、睡眠時間を削って1日何十時間も勉強している人より、部活をこなしながらも短時間でも集中して、しっかり睡眠をとって勉強している人のほうが成績がよかった、という光景を見たことはありませんか。

 自分の体力を回復させ、病気の予防に気を配りながら仕事を続けていきましょう。

【出典】
※1 James J Collins,et al. The assessment of chronic health conditions on work perfor mance, absence, and total economic impact for employers. J Occup Environ Med. 2005 Jun;47(6):547 57.
※2 Tomoko Suzuki,et al. Relationship between sickness presenteeism(WHO HPQ)with depression and sickness absence due to mental disease in a cohort of Jap anese workers. J Affect Disord. 2015 Jul 15;180:14 20.

(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)