世界経済が新型コロナウイルスの猛威から回復する中で表面化した資源高。その構造を読み解くと、日本がこれまで想定していなかった“新型”インフレへの「扉」が開いた可能性がある。(マーケット・リスク・アドバイザリー代表 新村直弘)
資源価格とエネルギー価格の
同時上昇が日本に大打撃
今市場で懸念されているインフレは、鉱物資源を中心に発生すると同時にエネルギー価格も上昇する新たな展開が考えられる。しかも、この“新型”インフレは中長期的に継続し、日本に大打撃を与える可能性がある。
その未曽有のインフレを引き起こす要素となるキーワードは三つだ。「中国・インドの人口増加」、「米中対立」、そして「脱炭素」である。順を追って説明しよう。