同様のデータ分析の中では、3回目接種を行う事で予防効果がオミクロンに対しても70%程度まで再度立ち上がる、という結果になっています。

 つまり、今後想定されるオミクロン変異体の感染爆発に対して、高齢者を対象の中心として、3回目接種を迅速に行うことが有効な対策として考えられます。

 今現在は「早めに接種した高齢者の1、2回目接種の予防効果が低下し、3回目の接種が進んでいない」という谷間の嫌な時期にオミクロンの感染が広まっています。

 政府には迅速な3回目接種のマネジメントを期待したいと思いますし、予防接種を1回も打っていない人含め、可能な方から予防接種を行うことを推奨します。

 また、病毒性が弱まっているとはいえ、一定の割合で重症化する事実は変わりません。「感染した人の中での重症化する割合」が低下しても、オミクロンの人から人への移りやすさ(≒伝播性)が上回れば重症化する人の数が以前より増える事もあり得ます。

 大勢の方に感染することによって、重症化リスクが低下していようが、その中で重症化する方は一定数出てきます。そして、重症化してしまうグループの中に自分が入らないとは全く言い切れません。油断は禁物です。

 また、改めて思い出しておきたい事実として、そもそも「重症化しなければ良い」というものでもありません。

 そもそも新型コロナウイルスの「軽症≒風邪」と認識されている方が一定数いらっしゃいますが、これは大きな間違いです。