失敗から学びがあり、学びが成功につながっていく

 2021年の流行語大賞(*8)にもノミネートされたSDGsは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための全世界的な目標であり、2020年からの10年間を「行動の10年」と位置づけている。2021年に創業40周年を迎えたSSHDは、刷新した経営理念で未来に向けた意思を宣言しているが、創業50周年への今後10年で目指すものは何か。

*8 ユーキャン新語・流行語大賞

阪本 繰り返しになりますが、これからの日本の社会は人手不足が続いていくなかで、多様な人材が活躍する場を作っていかなければいけません。未経験者の活躍は不可欠です。一方で、求人を出している企業に履歴書を送っても経験やスキルが不足しており、なかなか採用に至らない方々がいらっしゃいます。当社はそうした方々の働こうという想いに真摯に向き合い、可能性を見出し、就業にいちばんつなげられる人材総合サービス会社を目指します。現在でも「いちばん」である自負はありますが、就業機会をまだまだ増やしていきたいです。就業者を増やしていくことで、社会への貢献度を高めていきます。

「人の可能性を信じ、一人ひとりの働こうという想いと、働く機会を最も多くつなぎ続ける」スタッフサービスグループ。強くまっすぐな阪本社長の眼差しの中に、グループの新卒採用ページに書かれた“雇用の「不」を解決する”というメッセージの揺るぎなさが宿っている。

阪本 2031年の50周年は通過点にほかなりません。今回のコロナがもたらした働き方の変化をはじめ、これからの10年間でも、社会のいろいろなことが変わっていくはずです。企業は、社会に対してどういう貢献ができるのかをより求められ、そうしたなかで、自社のビジネスを考える範囲が広がり、自社で働く人材の幅も、働き方も広がっていく――当社にとっても大いなるチャレンジの時期です。今回、経営理念のバリューズに「挑戦」という言葉を入れましたが、挑戦には失敗がつきもので、失敗から学びがあって、学びが成功につながっていきます。だから、私自身はとてもワクワクしています。と同時に、私は「派遣」という働き方が幅広い世代のみなさまに就労手段のひとつとしてフラットに捉えていただけるようになってほしい。未経験でありながら派遣スタッフとして働き、業務経験を積むことは、個人のキャリアパスのひとつとして有効なはずです。いまは、「派遣」から直接雇用や正社員になる道もたくさんありますから、就労を希望する方々に「派遣は嫌」という先入観をなくしていただけるよう、派遣を通してご自身のより良い“働く”と出会えた方や、キャリアの広がりや深みに繋がった方を増やしていきたいですね。

雇用の「不」を解決し、企業と一人ひとりの仕事をつないでいくために…