部下である若年層に、管理職はどう向き合うか

 SSHDは、2021年11月に、40周年記念として「働く4世代4,000人対象調査」を行い、公表している(*7)。その調査結果でことさら気になるのは、これからの日本の社会を支えていき、生産活動の中心となる若年層(Z世代)の就労観だ。若い年齢の自社社員や就活生に接している阪本社長に、Z世代の特徴を聞いた。

*7 【スタッフサービスグループ40周年記念 働く4世代4,000人対象調査】 調査方法:インターネット調査、調査期間:2021年9月11日~13日、調査対象:全国働く4世代4000人

阪本 社会や身の周りに対する責任感の強さとともに、「自分の成長」をとても意識しているのも特徴的です。「いまここで、この仕事をしていて、自分は成長できるのだろうか?」と。私の世代の若いときとはかなり違う印象があります。

雇用の「不」を解決し、企業と一人ひとりの仕事をつないでいくために…

 現在40代50代の管理職は、社会に出た若年層に向き合い、部下となった彼ら彼女らを組織の中で教育し、育成していく。管理職の果たす役割はこれからますます大きくなっていくのではないか。

阪本 新任の管理職は、「部下をきちんと育てなければいけない」と、たいてい、自分に言い聞かせます。それは正しい姿勢ですが、「これまで、どういうときに、あなた自身が成長できたかを考えてみてください」と、私は新任の管理職に問いかけます。答えによくあるのは、「こんなことができるのか?という仕事に直面したときに、周囲の助けもあって乗り切ったとき」というもの。それは、実は、管理職である上司が成長させたのではなく、本人が自ら成長したのでしょう。「育成する!成長させる!」と管理職が気張ってみたところで、結局、成長する・しないは本人次第。大切なことは、部下本人がチャレンジしなければできない少し難易度の高い仕事をそれぞれの力量に応じてアサインすることで、あとは、本人にやる気があれば勝手に頑張っていき、努力して、成長します。管理職は「頑張れよ」と部下の背中をさりげなく押し、「あなたならできる。こうしてみたら?」というアドバイスを送ればいい。できる仕事をアサインするのは楽ですが、それだけでは部下は成長しません。