「今日の私、かわいい!」

 さて。

「お前、自分のことかわいいと思ってるだろ?」

 この質問に、正直に答えよう。

 うん、思ってるよ。っていうか、思ってるときもある、っていう方が、正しい。

 自分よりかわいい子がたくさんいるのはわかっている。自分がかわいいに分類されていいのかどうかすら、自信がない。

 でもさ、それでもさ、自分くらいは、頑張って自分の見た目の限界値を突破しようと努力した自分のことを、かわいいよって褒めてあげても、いいじゃん。もちろんすっぴんなんて見れたもんじゃないけど、今日は自分、調子いいなって思うときくらい、あるでしょ?

 頑張って服を選んで、メイクもちゃんとして髪も巻いて綺麗にして、時間をかけていつもよりいい状態になった自分のこと、「今日の私、かわいい!」と思っちゃいけない? そんなに滑稽? そんなにイタい?

 自分くらいは、自分の味方でいてあげないと、かわいそうじゃないか。

 私はかわいい。

 私はかわいい。

 私はかわいい。

 ね。

 口に出して言ってみたら、少しは元気が出てきそうだ。

男がよく聞く「お前自分のことかわいいと思ってるだろ?」という質問に、正直に答えよう川代紗生(かわしろ・さき)
1992年、東京都生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。
2014年からWEB天狼院書店で書き始めたブログ「川代ノート」が人気を得る。
「福岡天狼院」店長時代にレシピを考案したカフェメニュー「元彼が好きだったバターチキンカレー」がヒットし、天狼院書店の看板メニューに。
メニュー告知用に書いた記事がバズを起こし、2021年2月、テレビ朝日系『激レアさんを連れてきた。』に取り上げられた。
現在はフリーランスライターとしても活動中。
私の居場所が見つからない。』(ダイヤモンド社)がデビュー作。