昨年は、食品や電気代などの生活に密着した商品や料金が、過去に例がないほどの異常な値上がりとなったが、今年も、数多くの食品や電気料金等の公共料金が次々と値上げされる。値上げの連鎖が収まる兆しがない。政府は、法人税を減額する「賃上げ税制」の条件を見直すことで、給料引き上げによる景気回復を狙っているが、それで本当に景気が上向くのだろうか。それよりも、消費税減税の方がはるかに効果的ではないだろうか。(消費者問題研究所代表 垣田達哉)
食品や電気・ガスなどが
わずか1年で大幅に値上げ
昨年の食品やライフラインの電気・ガス、ガソリンや灯油等生活関連物資の値上げは異常だった。総務省の小売物価統計調査(東京都区部)を見ると、その異常さがよく分かる。
2020年11月と昨年の11月を比較すると、小売価格が大きく上がった主なものは次の通りである。
【食品】
・小麦粉1kg263円→283円(上昇率7.6%)
・食用油1本・1kg289円→349円(上昇率20.8%)
・マーガリン1kg708円→818円(上昇率15.5%)
・マヨネーズ1本・450g246円→269円(上昇率9.3%)
・牛肉(輸入品)100g270円→298円(上昇率10.4%)
【ライフライン等】
・電気代1万2105円→1万3643円(上昇率12.7%)
・都市ガス代4734円→5193円(上昇率9.7%)
・灯油1667円→2078円(上昇率24.7%)
・ガソリン1L・131円→168円(上昇率28.2%)
昨年1年間で4回も値上げをしている食用油は、上昇率が20%を超えている。小麦粉やパン類、パスタ等の小麦粉製品およびマヨネーズは、今年、再度値上げされる。冷凍食品、食肉製品、魚肉練り製品等の他、キッコーマンのしょうゆ製品は08年以来14年ぶりに、アヲハタジャムも13年以来9年ぶりに値上げされる。