Bさん世帯の毎月の収入は夫33万円、Bさん26万円の合計59万円です。夫の収入には残業代を含むと記載がありますが、記載の収入は平均値と考えて、試算ではそのまま使います。ボーナスは夫年100万円、妻70万円の合計170万円となり、年収にすると59万円×12カ月、合算したボーナス170万円を加えると878万円になります。

 一方、月間の支出は16万8270円に加えて確定拠出年金3万7000円、貯金10万円、ウェルスナビに投資として1万円の合計31万5270円、年間では378万3240円になります。

 ボーナスからの支出は記載の項目を合計すると111万円になり、年間の支出は貯金などを含めて489万3240円になります。

 世帯収入が878万円に対して年間の支出が489万3240円ですから、差額となる年間黒字額は388万6760円になります。

 ただ、いただいたデータには食費や水道光熱費、通信費、雑費などの記載がないため、日常の生活費を考慮すれば、年間約400万円近い黒字額になることはないでしょう。相談文に、「毎月の収入はほぼ使い切っています。奇跡的に残れば貯蓄に回しています」とあることから、日常の生活費を含めて388万円6760円にも及ぶ金額を全て、使っているのでしょう。

 厳しいことを言うようですが、今のままではBさんが考えられている子どもに進みたい進路を選ばせてあげることは難しいかもしれないと認識すべきでしょう。

 いったん教育費は考えずに、夫が60歳の定年を迎えるまでにBさん一家がどのくらいの金融資産を保有できるのかを試算します。

 現在、貯金・確定拠出年金・ウェルスナビを合わせた額は、毎月14万7000円、年間176万4000円です。ボーナスから学資保険30万円が払われているため、年間では206万4000円になります。

 学資保険の支払いは残り5年と書かれていますが、支払いが終了した後も30万円は貯蓄に回ると願望を込めて、試算を続けます。夫は現在39歳で60歳まで21年間あるため、206万4000円×21年間=4334万4000円の金融資産を増やすことができます。

 Bさんが現在保有する金融資産額は貯蓄1000万円、学資保険600万円、ウェルスナビ20万円の合計1620万円です。ここに60歳までに準備できる4334万4000円を加えると5954万4000円になります。