仕事や人間関係…しんどいことが多い、という人にぜひ読んでもらいたいのが、「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」(わび著)だ。著者のわび氏は元幹部自衛官としてエリート街道をひた走っていたが、上司のパワハラと早朝深夜の激務が重なりメンタルダウン。復職を果たした後、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、転職。現在は外資系企業の社員として活躍している。自衛隊などの社会人経験で身につけた仕事術、メンタルコントロール術についてツイートした内容が人気を集め、Twitterを開始して2年半でフォロワーは12万人を突破、10万超えいいねを連発し、ネットメディアにもたびたび取り上げられている。仕事・人間関係で生き抜く知恵が詰まった本書。今回は、発売を記念して特別に本文より一部抜粋、編集して紹介する。
まずは一歩進んでみよう
働いていると、体力的というよりも精神的に削られる仕事にあたることがしばしばありますよね。
上司の言っていることがコロコロ変わり、ゴールが見えない。
プロジェクトの売り上げ目標が高すぎて、達成する見込みが立たない。
誰も手をつけたがらない、泥沼化した案件を任されてしまった。
このような心身が疲れ果ててしまう仕事には共通点があります。それは「出口」が見えないことです。
どんなことでも同じですが、出口が見えていると、しんどいこともいつか終わる、と思えます。
暗いなかでも、出口があると光が差し込みます。
でも、出口がないと、いつ終わるのかもわからないし、光の見えない暗いなかを進まないといけません。
では、このような出口の見えない仕事にあたってしまった場合はどうすればよいでしょうか。
ひとつは、まず今の自分でできることをやって、少しでも進んでみることです。
自衛隊には100kmの徒歩行進訓練というものがあります。はじめて参加することになったときは、途方もない距離だし、終わりが数日先になるので、不安でいっぱいでした。
無事に歩き終わるビジョンがまったく見えないんです。
でも、訓練が始まり、一歩一歩進むにつれて、残りの距離は少なくなってくるし、歩き終わったあとの自分が見えてきます。
しんどい仕事を経験したことがある人はわかると思いますが、はじめは「しんどいな……」と感じながらも、たいていの仕事は乗り越えていると思います。
ほとんどの仕事は進めていくうちに出口が見えてくるからです。
まずは一歩進んでみることが大切です。