「ダメ出し」「否定」する上司写真はイメージです Photo:PIXTA

 何かを提案した際に、「“それ”、以前失敗したんだよね。うちでは無理だよ」とか、「“それ”、ちょっと前に検討したんだよね。で、やらないことになった」などと、ろくに話を聞かないで否定する上司がいる。こういう上司が相手では、手を替え品を替え、いろいろ頑張ってみても提案を通すことはまず無理だ。上司には拒否する強い理由があるように見える。しかしながら、このような言い方をする上司は、わずかな例外を除いて、あきれるほど単純で、驚くほど適当で、どうしようもない判断基準しか持っていないことが多い。頭の中の情報密度が“すかすか”なのである。

「それはだめ」というとき
“それ”の範囲はどこまでか

 まず“それ”の指す内容が問題である。上司が“それ”と認識しているものは、今私が話していることと同じだろうか。絶対に同じではない。少なくとも、時期が違い、提案している人も違う。実行する人も違うだろうし、同じテーマであったとしても提案内容がまったく同じにはなりようがない。そう考えると、本来は、よく聞きもせず、私の提案内容と上司の“それ”が同じものだと一蹴されるいわれはなく、否定されるべきものではない。

 もう少し具体的に考えてみよう。