横浜市は1月25日、相鉄本線の一部区間を地下化し、10カ所の踏切を減らす計画を明らかにした。東京や大阪などでも大規模な高架化の計画があるが、予定より大幅に遅れるなど難航している。そもそも日本の主要都市における踏切の数は、海外と比べて多い。その理由はどこにあるのか。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
用地確保の難しさなどで
進まぬ線路の立体交差化
横浜市道路局建設課は1月25日、相模鉄道本線の鶴ヶ峰駅付近を中心に西谷~二俣川駅間約2.1キロを地下化し、10カ所の踏切を除却する連続立体交差事業の都市計画決定を行ったと発表した。概算事業費は約784億円で、2022年度上期に事業認可を得て、下期に着工する計画だ。完成は2033年度を予定している。
相鉄ではこれ以前にも、2002年から2018年まで16年もの年月をかけて星川~天王町駅間を中心とする約1.9キロを高架化し、9カ所の踏切を除却している。駅前広場や周辺道路、高架下の整備などの付帯する事業も2021年度に完了した。総事業費は約550億円だった。
線路の立体交差化(高架化または地下化)は、踏切の除却による混雑・渋滞や事故の危険の解消、線路による地域分断の解消だけでなく、鉄道事業者にとっても事故多発ポイントである踏切の除去による運行の安定化向上、また高架下用地の活用が可能になるなど、三方が得をする事業である。