コロナ後遺症の実態とは?介護施設に勤務する20代栄養士の場合写真はイメージです Photo:PIXTA

 2020年3月、米国内で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック第一波が発生した時、ニューヨーク州の介護施設に勤務していた栄養士のCaitlin BarberさんもCOVID-19に罹患した。体の痛み、鼻水、嗅覚・味覚障害などが現れたが、それほど心配はしていなかった。当時27歳であり、常日頃ランニングを続けるなど、健康的な生活習慣を維持していたこともあって、重症化はしないと考えていた。そして実際に、2週間の隔離生活の間に体調は回復し職場に復帰した。

 しかし数日後、彼女の体に新たな症状が現れ始め、やがてCOVID-19罹患時よりもはるかに悪化していった。脱力感と倦怠感、発熱、頭痛、息切れが現れ、そして脳に霧がかかったような感じになり、仕事の手順を思い出せなくなった。また、歩き始めると心拍数の急上昇と血圧の低下が起きるようになった。「3度も職場復帰に失敗した。出勤しても1時間ほどしか仕事を続けられなかった。それどころか、トイレに行くのにも夫の助けが必要だった」とBarberさんは語る。