大手金融機関に勤めていた著者は、40歳で早期リタイアを考え始めた。その10年後に資産1億円を達成、FIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たした。著書『【エル式】 米国株投資で1億円』では、年代別の投資指南から最強の投資先10銘柄に至るまで、“初心者以上マニア未満”の個人投資家に再現可能な投資法を徹底指南している。

【米国株投資】FIRE達成の原動力となった「最強の10銘柄」を紹介します(1)Photo: Adobe Stock

エル流「最強の10銘柄」

エル流「最強の10銘柄」はこれだ!

1000万円の軍資金を10年後に1億円にしてくれる「最強の10銘柄」とは一体どんな銘柄なのか。それは私がこれまでずっと主張してきた通り、メジャーな銘柄でありながら収益性と成長性を秘めているものが主体です。決して奇をてらったラインナップではなく、米国株投資の王道的な銘柄揃いだと自負しています。

【米国株投資】FIRE達成の原動力となった「最強の10銘柄」を紹介します(1)

これからエル流最強の10銘柄を順番に説明していきましょう。最初は、ビザ(V)です。

①ビザ(V)

クレジット決済の世界トップブランド「Visa」を発行しています。誰でもVisaマークの入ったクレジットカードを1枚は持っているのではないでしょうか。エル家では3~4枚使っています。

クレジットカードの発行元は、「三菱UFJニコス」や「イオンFS」などありますが、ビザとカード発行元のビジネスモデルはまったく異なります。

ビザは、発行元に支払いサービスという「インフラ」を提供して、決済手数料で安定的に稼ぐビジネスモデル。これに対して発行元は、「リボ払い」など個人への与信で稼ぐビジネスモデルです。

ビザ自体は与信をしているわけではありませんから、利用者の返済能力が落ちて延滞が増えても被害を受けることは避けられます。さらに、クレジットカード以外にも、ペイパル(PYPL)などの電子決済サービスとも提携しており、新しいキャッシュレスサービスにも対応する万全の態勢を整えています。

ビザと同様の盤石な仕組みを整えているのは、他にはマスターカードだけ。両者を比べると、収入・利益・資産の大きさはいずれもビザのほうが格上で、時価総額は全米8位でトップ10入りしています。

会社の信用力を示す外部格付(S&P)でも、ビザが「AAー」なのに対して、マスターカードは「A+」です。ビザもマスターカードも新型コロナの影響で営業益がダウンし、株価も下がりました。しかし、こうした事態でもない限り株価が下がることはありませんから、割安で仕入れる絶好のチャンスかもしれません。

私はビザにもマスターカードにも投資しています。

②ナイキ(NKE)

ナイキは世界一のスポーツ用品メーカーです。日本ではナイキとアディダスはよきライバルのように扱われていますが、1位のナイキと2位のアディダスとの間には、売上高などで大きな差があります。

ナイキのブランド力と製品開発力はスポーツ用品メーカーでズバ抜けており、アメリカのMLBやNBAなどのプロスポーツ選手、オリンピック選手と契約しています。2020年からは、MLBにユニホームを提供しており、その契約金額は10年間で10億米ドル(1050億円)となっています。

この契約により、ナイキのロゴマーク「スウッシュ」がMLB全チームのユニホームの胸元に入ることになりました。日本でも、多くの駅伝選手がナイキの厚底シューズを着用しており、ナイキアスリートである大迫傑選手が厚底シューズで男子マラソンの日本記録を2度更新するなど、絶大なPR効果を発揮しています。

ナイキはデジタル化にもいち早く対応しています。データ分析会社を買収してノウハウをとり入れているほか、将来的には売上の半分以上をECに移行しようとしています。