私はいつまで他者からの採点に振り回されなくてはならないのか
まあ、ここまで書いてきてなんだが、私は別に、そんな風に見比べられるのはおかしいとか、見下しおじさん撲滅! とか、そんなことを言いたいわけではない。セクハラはやめろと言いたいわけでもない。だいいち、ここに書かれていることはあくまでも独断と偏見による個人的な主張に過ぎないし。
ただ、思うのだ。
私は一体、いつまで他者からの採点に振り回されなくてはならないのだろう、と。
なんかね、疲れた。疲れるんだよ。そう、「疲れる」という表現が一番近いような気がするな。
「比べて評価する」ことそのものをエンターテイメントだと思う感情も人間の中にたしかに、存在するのだとしても、言う必要のない女としての評価をあえてぶつけられ、そしてそれに傷ついていない振りをし続けるのに、なんか疲れちゃったんだよ。「大丈夫、これくらいで傷つかない」と自分に言い聞かせ続けて、感情を誤魔化す能力ばっかりグングン上がっちゃってさ。「メンタルを強くする方法」みたいなライフハックを検索して実践して感受性がどんどん鈍くなっていく自分を褒めてあげたい一方で、「なんか、私が求めていた『生きやすさ』ってこういうことじゃない気がする」ってまたモヤモヤしたりして。自分は他人から点数つけられるのがめちゃくちゃ嫌なくせに、自分のことは棚に上げて上司や親や合コン相手を「当たり」「外れ」だのと評価しまくって……って、矛盾しまくりの行動しちゃってる自分にもまた辟易して。
そうやって、げっそりと心をすり減らした矢先、息も絶え絶えになりながら向かった先の本屋で開いた自己啓発書には、揃いも揃ってこんな言葉が書いてある。
あなたの人生を左右するのはあなただけであって、0点であっても100点であっても、採点ができるのはこの世にあなた一人だけです。どんなあなたも素晴らしいんです。自信を持って、人の目を気にせずに生きましょう。
子どもの頃からずっとさ、それができねーから困ってるんですけど、じゃあ一体どうしたらそう思えるようになるか、教えてくれないですかね。
1992年、東京都生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。
2014年からWEB天狼院書店で書き始めたブログ「川代ノート」が人気を得る。
「福岡天狼院」店長時代にレシピを考案したカフェメニュー「元彼が好きだったバターチキンカレー」がヒットし、天狼院書店の看板メニューに。
メニュー告知用に書いた記事がバズを起こし、2021年2月、テレビ朝日系『激レアさんを連れてきた。』に取り上げられた。
現在はフリーランスライターとしても活動中。
『私の居場所が見つからない。』(ダイヤモンド社)がデビュー作。
Twitter@kawashirosaki