孔子を読み解くおすすめ2冊

 祖国の乱れを嘆き、古きよき時代に戻れと訴えた孔子の教えは、このように理解され、平たく言えば権力者サイドに重用され続けてきました。

 孔子の一生は必ずしも恵まれていなかったかもしれませんが、子孫には精神的にも物質的にも豊かなものを残しました。

 彼の考え方は『論語』によく表われています。とてもわかりやすい本です。

 類書はたくさん出版されていますが、橋本秀美『論語──心の鏡』(書物誕生あたらしい古典入門シリーズ、岩波書店)と『論語』(金谷治訳注、岩波文庫)がお薦めです。

 この本では、哲学者、宗教家が熱く生きた3000年を出没年つき系図で紹介しました。

 僕は系図が大好きなので、「対立」「友人」などの人間関係マップも盛り込んでみたのでぜひご覧いただけたらと思います。

(本原稿は、13万部突破のロングセラー、出口治明著『哲学と宗教全史』からの抜粋です)