59.32%という戦後最低の投票率で、12月16日に行われた衆議院選挙は自民党の圧勝で終わった。3年3ヵ月に渡る民主党政権が終わった。
その負け方も半端なものではない。民主党は57議席しか確保できなかった。田中真紀子文部科学相、藤村修官房長官、仙谷由人元官房長官らの大物政治家が相次いで落選した。菅直人前首相も小選挙区で落選したが、原口一博元総務相、海江田万里元経産相らとともに、比例復活でようやく議席を確保した。選挙結果があまりにも惨めすぎたので、その日の深夜に、野田佳彦さんが責任を負うとして、民主党代表を辞任した。
多くの人が自民党の大勝は予想していたとはいえ、294議席も確保し、31議席を手に入れた公明党と合わせると、参院で否決された法案を衆院で再可決できる320議席を上回る325議席を獲得できたことは、これからの政局運営には並々ならぬ影響を及ぼすだろう、と容易に想像がつく。
日本の内政であるこの選挙に対して、中国政府も国民もこれまで見られなかった関心を見せている。民主党政権の3年3ヵ月の大半は、まるで中国との喧嘩に費やされていたようなものだ。その分だけ、民主党政権に懲り懲りとなった中国政府も国民も、早く政権交代を期待していたのではないか、と思う。
実際に料理を作ってみたら
期待外れだった民主党
2004年、当時の民主党代表だった菅直人氏を取材したことがある。民主党が政権奪取を声高らかに叫んでいたときだった。取材の中で、私は「治大国如烹小鮮」という中国のことわざを引っ張り出し、次のような指摘をした。
大事な国政を治めることは、料理を作ることに似ているが、野党の民主党は与党の政策を批判すればよい立場にある。まるで料理が下手だが、口が奢(おご)っている私みたいな人間だ。あのレストランは味がよろしくない、この料理もあまり美味しくない、などとよく批判はするものの、自分でレストランを経営したことはない。もちろん、料理も作れない。こんな人にはレストランの経営を任せられないのでは、と。