テレワークが定着する中で、厚生労働省から2021年3月に「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(以下ガイドライン)が公表されました。つながらない権利に関係するところでは、ガイドライン内で以下のように記載されています。

・時間外、休日又は所定外深夜 (以下「時間外等」という。)のメール等に対応しなかったことを理由として不利益な人事評価を行うことは適切な人事評価とはいえない。
・テレワークにおいて長時間労働が生じる要因として、時間外等に業務に関する指示や報告がメール等によって行われることが挙げられる。このため、役職者、上司、同僚、部下等から時間外等にメールを送付することの自粛を命ずること等が有効である。

 ただし、このガイドラインはあくまでも労使双方にとって留意すべき点、望ましい取り組みなどを明らかにしたものであって、権利といった議論にフォーカスしたものではなく特段強制力もないのが現状です。

 また、民間企業の取り組み事例はどうでしょうか。三菱ふそうトラック・バスでは、長期休暇中に電子メールを受信拒否・自動削除するようにして物理的にメールを受信できない仕組みを採用しています。

 ジョンソン・エンド・ジョンソンでは、夜10時以降と休日の社内メールを自粛するように呼びかけています。

 もしフランス発の「つながらない権利」が日本で法制化されたら、いったいどのようになるのでしょうか。

こんなことが起こる可能性も

 つながらない権利が法制化することで考えられることの一つに、企業のサービスの低下が考えられます。