各国の企業も続々とロシアに「制裁」
平和への手段になるのか?
世界がウクライナへの侵攻反対で「連帯」をしていることを示せば、ロシア国内の反戦ムードも高まって、さすがのプーチン大統領も軍事作戦の続行を断念せざるを得なくなるはずだ――。
そんなロジックのもとで、各国の政府や企業が手を取り合ってロシアに経済制裁をしていくという、「反ロシア連帯」ともいうべき動きが広がっている。
アメリカやイギリスはロシア産原油の輸入停止を発表。さらに、4大会計事務所のKPMG、EY、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)、デロイトも、ロシア企業へのサービスを停止すると発表。ZARAなどを展開するアパレル大手のインディテックスは、ロシア国内の約500店舗の営業を停止、H&Mも約170店舗を一時閉店としている。
また、これまでスタンスを明確にしていなかったマクドナルドとスターバックスも投資家などの批判を受けて相次いでロシア国内事業の停止を発表した。ちなみに、マクドナルドはロシアで847店舗を運営して、現地従業員が約6万2000人もいるのだが、生活への影響を考えて給与は支払われるという。
このような「反ロシア連帯」が西側諸国に広がれば当然、日本もそこに参加しないわけにはいかない。トヨタや日産は工場の稼働を停止すると発表し、現地駐在員に帰国を指示。他の企業でも続々と対ロシアビジネスを停止する動きが出ている。
一方で、「連帯」に背を向ける企業もなくはない。その代表格が、ロシア国内で50店舗を展開するユニクロだ。「衣服は生活必需品」という理由から事業継続を発表している。
ただ、これも「方針転換」は時間の問題ではないかと見られている。コルスンスキー駐日ウクライナ大使がSNSに、「ユニクロは、ウクライナの人々の基本的な生きる権利よりも、ロシアの人々の基本的なパンツやTシャツの需要の方が大事だと決めた。残念だ!」と投稿したことを筆頭に、国内外から嵐のようなバッシングが寄せられているからだ。
しかし、「厳しい経済制裁を続けていれば、プーチンが窮地に追い込まれて平和が訪れる」というのは本当だろうか?