認知症疾患医療センターとは、正しい鑑別診断、治療、相談対応などを担う認知症専門の医療機関。地域の大黒柱である。そのセンターが備える診断設備、訪問診療・入院対応、注力分野など気になる情報についてアンケートを実施した。相談、受診の参考にしてほしい。特集『決定版 後悔しない「認知症」』(全25回)の#22では、その東海・北陸・甲信越編をお送りする。(ダイヤモンド編集部 小栗正嗣)
全国の認知症専門の医療機関にアンケート調査
6テーマ全22項目リストの簡易版【東海・北陸・甲信越編】
認知症というのは病名ではない。原因となる何らかの病気や障害によって、認知機能が低下し、生活に支障が出ている状態のことだ。
その原因となる病気(原因疾患)は、厄介なことに70種類以上もあることが知られている。
主な原因疾患としては、最も多いアルツハイマー型認知症、幻視が起こりやすいレビー小体型認知症、人格が変わる前頭側頭型認知症(ピック病)、運動障害を伴うことが多い脳血管性認知症などがある。それぞれ中核症状やBPSD(行動・心理症状)の治療は違ってくるので、きちんと見分ける必要がある。
他にもまた、全身のさまざまな病気が認知機能障害を引き起こす。正常圧水頭症、甲状腺機能低下症やビタミンB1欠乏症、ビタミンB12欠乏症、葉酸欠乏症などは「治る認知症」であり、見逃してはいけない。高齢者のうつ病、意識障害であるせん妄なども認知症とよく似て紛らわしい。これまた、きちんと見分けなくてはいけない。
こうした正しい鑑別診断、医療相談、地域連携などを担う認知症専門の医療機関が「認知症疾患医療センター」である。都道府県や政令指定都市が指定する病院に設置され、現在、全国に488カ所ある。
ダイヤモンド編集部では2022年2月、この488の認知症疾患医療センターにアンケートを送付、147病院から回答を得た。質問項目の中から6テーマ22項目を選んで作成した「認知症疾患医療センター大調査」リストと、さらにその中から主要項目である「診察実績」と「使用している画像診断機器」の一部をより抜いた、「簡易版」のリストをお送りしよう。
今回は「東海・北陸・甲信越編」である。早期に正しい診断を受けるための参考材料としてほしい。