離れて暮らす認知症の親の介護には、外部の介護や福祉サービスが不可欠だ。しかし、残念ながら「家族が面倒を見ることができない」という足元を見て適切なサービスを怠ったり、無理な要求をしてくることがある。特集『決定版 後悔しない「認知症」』(全25回)の#18では、介護・福祉分野に詳しい法律の専門家が、認知症でよくあるトラブルとその対処法を伝授する。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)
施設内の転倒がもとで寝たきりに…
認知症の親を守るための知識武装が必要
家族と離れて暮らしている認知症患者にとって、外部の介護サービスはまさに命綱。しかし、その命綱を担う業者やスタッフと残念ながらトラブルになる事例は決して少なくない。
「認知症の母が老人ホームの食堂で、職員が目を離した隙に転倒、骨折したのをきっかけに完全に寝たきりになってしまった」
介護・福祉系を専門とする法律事務所おかげさま代表の外岡潤弁護士の元には、全国各地から介護業者とのトラブルを抱えた家族からの相談が届くという。
認知症だと、自分が不適切なケアを受けたり、最悪の場合は犯罪に巻き込まれたりしてもそれを訴えることが難しく、そこに付け込んだ悪質なケースもある。親を受難から守るための知識武装のすべを、外岡弁護士に聞いた。