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コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はNTT、ソフトバンク、KDDIの「通信」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

通信業界3社は
いずれも前年同期比で増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の通信業界3社。対象期間は21年10~12月の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・NTT
 増収率:0.3%(四半期の営業収益3兆356億円)
・ソフトバンク
 増収率:5.1%(四半期の売上高1兆4496億円)
・KDDI
 増収率:0.2%(四半期の売上高1兆3887億円)

 通信業界といえば、政府の携帯料金値下げ要請を受けて、昨年3月に相次いで格安の新料金プランを導入。従来プランから大きく値下げしたこの新プランに顧客が移行し、売り上げ減少につながるリスクが指摘されていた。

 ソフトバンクは22年3月期第3四半期決算短信の中で、「通信料の値下げによる平均単価の減少」が減収要因となったことを指摘している。

 それにもかかわらず、会社全体では3社とも前年同期比で増収となっている。この要因は何だったのか。次ページでは、データを交えて詳しく解説する。