コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキーエンス、ファナックなどの「製造用機器・システム」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
キーエンス、ファナック
前年同期比3割超の大幅増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の製造用機器・システム業界5社。対象期間は21年9~12月の直近四半期(安川電機は21年9~11月期、その他4社は21年10~12月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・キーエンス
増収率:37.7%(四半期の売上高1901億円)
・ファナック
増収率:30.3%(四半期の売上高1888億円)
・マキタ
増収率:15.5%(四半期の売上収益1826億円)
・ダイフク
増収率:8.0%(四半期の売上高1261億円)
・安川電機
増収率:26.2%(四半期の売上収益1175億円)
※ファナック、ダイフクは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
製造用機器・システム業界5社は全て前年同期比増収となった。特にキーエンス、ファナックは前年同期比で3割超の大幅増収となっている。
次ページ以降で各社の増収率の時系列推移を紹介するとともに、キーエンス、ファナックの大幅増収の背景について詳しく解説する。