中国エリア屈指の教育県である、広島・岡山。そして九州の雄、福岡。いずれの県も地方における中学受験の「激戦区」だ。中国エリア、福岡では少子化の影響を受けながら、2022年入試では競争激化に転じた。特集『わが子に最強の中高一貫校&小学校&塾』(全26回)の#15では、3県の中学受験の裏側と共に、地元名門校の最新受験事情を分析する。
首都圏・関西とは異なる
地方“激戦区”の中学受験戦線
2022年の中学受験でも新型コロナウイルス感染拡大の影響、少子化の流れは続いたが、首都圏や関西とは異なる競争が繰り広げられている県がある。中国エリアで屈指の教育県である岡山県、広島県。そして九州エリアで最も中学受験が盛んな福岡県だ。
3県は地方都市の中でも中学受験の激戦区であることが数字からも見て取れる。21年度の私立・国立中学への進学者数、進学率を見ると広島は8881人、11.79%、岡山は2919人、5.74%となっている。両県を合わせると、実に愛知県とほぼ同規模の生徒数となる。
一方、福岡は私立・国立中学への進学者数8444人、進学率は6.05%だ。日能研関西、英進館のデータからも3県とも受験倍率は前年度より上昇していることが分かる。少子化によって中学受験者数は総じて減少傾向であるにもかかわらず、いずれの県もより狭き門となっているのだ。
そして、中学受験において、この3県には首都圏や関西と異なる共通の“謎”がある。それは、それぞれの地域トップ校ではなく、2番手校(広島の修道と広島女学院、岡山の就実、福岡の福岡大学附属大濠)の人気が高まっていることだ。
次ページからは、この人気の謎に迫るとともに、3県の22年入試をデータと共に掘り下げよう。ひそかに人気が高まっているダークホースの存在など、23年入試の学校選びに役立つはずだ。