わが子の塾選びに悩む親は多いはず。つい御三家ほか、難関中高一貫校の合格者数から判断しがちだ。しかし、子どもの学力や志望校を鑑みて、その塾が最適とは限らない。「難関校よりも中堅校に強い」「特定の中学校に強い」など、塾それぞれに強みがあるからだ。そこで、特集『わが子に最強の中高一貫校&小学校&塾』(全26回)の#20では、「首都圏」主要塾について、最新2022年入試の結果を大分析。子どもの学力を伸ばせる塾の「合格力」を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰、加藤桃子)
主要塾の全合格校の平均偏差値を算出
最新版!塾別「合格力」ランキングを掲載
過熱するばかりの中学受験。その激戦で合格を勝ち取るためには、塾通いが不可欠となる。
だが、ちょっとした駅前にさえ中学受験塾が軒を連ねる昨今、いざ塾を探すにも選択肢は数知れない。一体どうやって子どもにピッタリな塾にたどり着けばよいのか?
そこで、長年にわたり中学受験塾の情報を収集、分析する中学受験カウンセラー、石田達人氏の協力を得て、首都圏主要塾の最新2022年入試の合格者データの大分析を行い、塾の「合格力」ランキングを作成した。
ただし、そのランキング上位から塾を選ぶべし、というわけではない。より大切なのは、子どもの現在の学力と志望校にピッタリなのはどの塾かを見抜く、という視点だ。
例えば、首都圏四大中学受験塾(四谷大塚、日能研、SAPIX〈サピックス〉、早稲田アカデミー)に選択肢を絞っても、子どもの学年や目指している学校の難易度によって選ぶべき塾は変わってくる。
「難関校を目指すならば、サピックスが第一選択肢。続いて、早稲アカ、四谷大塚、日能研のいずれか。一方、中堅校を目指すとなると、早稲アカ、日能研、四谷大塚のいずれかで、次にサピックス。また、子どもが4~5年生で、サピックスに通ってはいるものの、授業に付いていけず転塾を考えているならば日能研がお薦め。カリキュラムの進度が相対的にゆっくりしているので、つまずいた単元をおさらいしやすい」と、「塾ソムリエ」として知られる「中学受験専門プロ家庭教師集団 名門指導会」の西村則康代表は言う。
つまり、塾によって、得意不得意とする子どもの学力レベルが異なるのだ。
そこで、次ページでは、首都圏の中高一貫校に合格者総数150人以上を出している主要26塾の全合格校(各塾の最新2022年入試の公表ベース)を偏差値で7段階に分け、どの塾がどのレベルの学校にどれだけの合格者を出しているかを算出した一覧表を作成した。
それぞれのウェブサイトや広告で難関校の合格実績を前面に押し出していても、実際の合格校のボリュームゾーンは塾によって大きく違うことが一目で分かるはずだ。
次ページ以降ではこのほかに、塾ごとの合格校の平均偏差値を求めた「主要塾の『合格力』ランキング」をはじめ、「合格力と合格者総数の相関図」、「首都圏+茨城県の有名中高一貫校における主要塾の合格者数」「入塾テストの有無」など、いずれも塾選びにきっと役立つだろう六つの図表を作成したが、これらにわが子の学力や志望校を当てはめて考えていけば、子どもと塾の致命的なミスマッチは起きにくくなるはずだ。
では、さっそく最新2022年入試における各塾の合格実績の分析結果を見てみよう。