学び直し“裏ワザ”大全#2Photo:123RF

社会人の学び直しの場としてだけでなく、最近は学部生のコロナ不況に伴う就活先送り目的としても注目される大学院。直近の調査によって、学部卒業者よりも大学院修了者の方が稼げることが明らかに。特集『資格・大学・大学院で自分の価値を上げる! 学び直し“裏ワザ”大全』(全11回)の#2では、では、経歴も実力もアップできる、入りやすくておトクな全国の名門大学院リストを紹介する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

社会人、学部生問わず注目が集まる
大学院修了で「稼ぐ力」も上げられる!

 社会人の「学び直し」の最たる場として、大学院が挙げられる。実際、この20年で大学院生に占める社会人の割合は倍増しているのだ。

 入学の動機はさまざまだ。大半を占めるのは、純粋に自らの知見やスキルを磨きたいという社会人。その一方で、「近年は、中小企業の経営者の箔付けのため、子どものお受験を有利にするため、はたまた婚活のため、といった理由も増えている」と言うのは、日本初の大学院入試対策講座を始めた予備校、中央ゼミナール(東京都杉並区)の講師で、『「学歴ロンダリング」実践マニュアル』(オクムラ書店)の著者、赤田達也氏だ。

 さらに、ここにきて学部生の間でも大学院進学希望者がにわかに増えている。

 低下が続いていた学部卒業者における大学院への進学率は2021年度、久しぶりに上昇に転じ、前年度から0.5ポイント増の11.8%となった。

「新型コロナウイルスの感染拡大による就職難や、昨年話題になった『学歴フィルター』を突破するための学歴ロンダリング目的で、もともと就職を希望していたが大学院進学にかじを切った学生が、例年以上に続出している」と赤田氏。

 社会人だけでなく学部生からも注目度が高まる大学院だが、入学動機が何であれ、経歴のみならず実力――、稼ぐ力も付けられるという点も重要だ。

 公益財団法人関西生産性本部が、関西学院大学の村田治学長を座長とする「企業の人材ニーズと高等教育のマッチングに関する研究プロジェクト」を立ち上げ、昨年報告書を公表した。

 報告書は、学生を採用する企業に対して、「大学院教育が労働生産性などの企業業績に貢献しない、あるいは大学卒と比べて大学院修了者の方が能力・資質が高いとはいえないという誤った認識がある」と苦言を呈した上で、大学院修了者の真の実力を示す数々の調査結果を示している。

 次ページでは、大学院修了者の方が学部卒業者よりもどれだけ稼げるかを示す、産業別の「賃金プレミアム」といった調査結果を示す。

 さらに、東京大学・京都大学・早慶(早稲田大学、慶應義塾大学)など、超名門大学なのに入りやすい、お得な大学院リストの最新版を掲載する。中には面接だけでOKの名門大学大学院すらある。