わが子に最強の中高一貫校&小学校&塾#21Photo:PIXTA

ペーパーテスト、行動観察、運動、絵画、親子面接、願書――。小学校受験で問われる能力は、中学受験以上に多岐にわたり、家庭だけでは対策が難しい。とはいえ、難関校の合格実績だけで塾を選ぶのはNGだ。特集『わが子に最強の中高一貫校&小学校&塾』(全26回)の#21では、ベールに包まれた小学校受験の内容を解説しながら、わが子を合格に導く、正しい塾の選び方を伝授する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

小学校受験は中学受験以上に「親の受験」
塾の上手な活用が合否を分ける

 本特集#9『小学校受験が過熱!農大稲花・洗足・立川国際の人気急騰で序列激変、最後は「親力」で勝つ』では、首都圏と関西の直近の2021年入試動向の大分析を行った。ここでは、さらなる競争激化が確実視される22年秋の入試に向けて、合格を勝ち取る具体的なノウハウを伝授しよう。

 親の“伴走”が必要なのが中学受験ならば、“親の受験”そのものが小学校受験だ。志望校の選定はもちろん、塾選び、家庭学習、日々の暮らし……、その全てに親が正面から向き合う必要がある。

 また、中学受験と比較すると、小学校受験は合格の目安になる偏差値がなく、圧倒的に情報量が少ない。ママ友のうわさやネットの怪しい情報に右往左往したり、子どもを追い込み過ぎてしまったりするケースも珍しいことではない。

 では、どうすればいいのか。一つの答えが、信頼のおける小学校受験向けの塾(幼児教室)の徹底活用である。

 実際に自らの子どもの小学校受験を経験して、現在は小学校受験の情報をネット上で発信している狼侍(SNSのハンドルネーム)氏は、「塾選びは先入観を持たず、体験授業で家庭の教育方針や志望校の考査との相性を見極めることが大事。また、小学校受験は教室よりも先生にコミットする部分があるので、先生との相性も重視したい」とアドバイスをする。

 小学校受験は面接や願書を通じて、家庭の学校への理解度や教育方針、教養も確認される。いわば親のデキが合否を分けるのだ。「子どもの考査に目がいきがちだが、学校が見ているのは家庭全体。その大部分は親であることを理解するべきだ」(狼侍氏)ということは、忘れがちなだけに強く意識したい。

 大手小学校受験塾、理英会の宮内仁志氏も親の役割を強調する。

「願書と面接を通じて家庭の熱意を上手にアピールする必要がある。一昨年の東京農業大学稲花のように事前面接をオンラインに変更した学校もあり、事前の対策は不可欠。親子面接の場合は、子どもへの質問に親が答えるなどの過干渉に特に注意したい」

 家庭の教育方針が最優先ではあるが、願書や保護者の面接についても、塾のアドバイスを徹底活用すべきだろう。

 次ページでは首都圏の塾別の主要小学校36校の最新合格者数を大公開。さらに首都圏のみならず関西をカバーした塾選びのコツや親の心構え、そして試験の具体的な中身を解説する。「いつから」「何を」「どれだけ」やればいいのかについて、例を挙げながら説明していくので、ぜひチェックしてほしい。