米英両国は貿易・投資関係を深化するための協議を開始することで合意した。自由貿易協定(FTA)の交渉が中断した昨年以来、二国間貿易の促進に向けた初の幅広い取り組みとなる。米英当局によると今回の協議は、サプライチェーン(供給網)の混乱緩和や経済の脱炭素化、デジタル取引の促進、国内労働者の支援や労働者の権利保護など、さまざまな問題での協力関係の緊密化を目指すものだという。協議は今月21、22日に米メリーランド州ボルチモアで行われ、米通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表と英国のアンマリー・トレビリアン国際開発相が会談する。2回目の協議は今春中に英国で行う予定。こうした取り組みは、友好国との経済関係の強化を目指す米バイデン政権の姿勢を示している。両国はロシアによるウクライナ侵攻に経済制裁で立ち向かう一方、世界の貿易や技術のルールや基準を定める上で影響力を増す中国にも対峙(たいじ)している。