ロシア軍が3週間前にウクライナに侵攻してから間もなく、マリーナ・オフシャンニコワさんは声を上げなければならないと決心したと話す。ロシア国営テレビ局「第1チャンネル」のテレビプロデューサーであるオフシャンニコワさんは当初、モスクワの街頭で行われる反戦デモに参加しようと考えていた。だが、逮捕されるのを恐れた息子が車のキーを隠してしまった。そこで、もっと大胆な方法に打って出ることにした。14日、夕方のニュースの放送が始まると、オフシャンニコワさんはデスクから立ち上がった。IDバッジを見せて2カ所の保安検査所を通過し、最後にスタジオ入り口の警備員の前を通り過ぎた。そしてニュース番組のキャスターの背後に突然映り込み、「戦争を止めろ、戦争反対」と叫んだ。カメラが切り替わる前に、数百万人の視聴者に向けてプラカードを掲げた。そこにはこう書かれていた。「戦争反対。戦争を止めろ。プロパガンダを信じるな。彼らはここで嘘をついている。ロシア人は戦争に反対している」