2020年春、原油価格が暴落し、オートリー・スティーブンス氏は窮地に立たされた。数カ月後、価格が安定すると米テキサス州ミッドランドにある同氏の会社は賭けに出ることにし、原油増産を決めた。タイミングは完璧だった。  足元の原油価格が1バレル100ドル前後で推移する中、スティーブンス氏が経営するエンデバー・エナジー・リソーシズなど少数の株式非公開の米石油採掘会社は、世界のエネルギー市場のカギを握るプレーヤーに急浮上した。ウクライナで続く戦争と対ロシア制裁がエネルギー供給を直撃し、こうした小規模事業者は原油増産を急ぐ動きの一端を担っている。  おかげで彼らのビジネスは大もうけだ。