米国の賃金上昇をけん引する「アマゾン効果」の正体アメリカでは賃金引き上げの面でも「アマゾン効果」が起きている Photo:123RF

平均時給の上昇率、1月は5.7%、2月も5.1%
人手不足で物流などに支障

 アメリカで賃金が上昇している。

 雇用統計によれば、平均時給の前年同月比は、2021年10月と11月はそれぞれ4.8%だった。だが12月は5.3%と5%を超え、今年1月は5.7%、2月も5.1%と高い伸びを続けている。

 週平均労働時間も高止まり傾向だ。

 各地で深刻な人手不足が続いており、レストランや小売店などで営業時間を縮小する動きが出ている。

 また、工場、港湾、トラック、倉庫などがフル稼働するのに必要な労働力を確保できないため、物流に支障が出ている。

 これについて、2つの問題を検討する必要がある。

 第1に、「賃金の上昇が物価を引き上げる」というスパイラル的なコストプッシュ・インフレーションが起きているか?

 第2に、労働市場がなぜ逼迫しているのか? つまりコロナからの回復期における一時的現象なのか、それとも、構造的な要因が影響しているのかだ。