今、日本では空前のサウナブームが起きています。
芸能人や著名な経営者にも「サウナ好き」を公言する方が増え、また身近なビジネスパーソンで、精力的に仕事をこなすトップエリートと呼ばれる男女がこぞってサウナに通っています。なぜ、仕事ができる人は、サウナにハマるのでしょうか?
サウナを初めて科学的エビデンスに基づいて解説した話題の書「医者が教えるサウナの教科書」(加藤容崇著)より、最新研究に基づいたサウナの脳と体に与える効果と、最高に「ととのう」ための入り方を、本書から抜粋して紹介していきます。

【最高にととのうサウナ】<br />一番ととのいやすい<br />水風呂の温度とは?Photo: Adobe Stock

水風呂は16度~17度が最適な理由

 水風呂の温度は施設によって若干異なりますが、最適なのは16~17度付近です。

 人体には、TRP受容体という温度センサーが備わっていて、生命が危うい温度になると、痛みとして現れて危機を教えてくれます。高温側はたんぱく質の変性が始まる42~43度付近で、それを超えると痛みに変わります。そして低温側は、16~17度付近。それ以下になると痛みに変わります。つまり、「快適な範囲内=痛みを感じない」というギリギリの温度が16~17度付近なのです。

「ととのう」ためには、熱いサウナ→冷たい水風呂という、振り幅の大きいステップを踏むことが大事。それによって、最後の外気浴で心地よさを感じ、ととのうことができるからです。だから、人体が痛みを感じないギリギリの温度である16~17度がベストです。

 もし、水温がそれよりも低い場合は、入る時間を短くするか、事前に掛水をして体をしっかり慣らしましょう。温度が低すぎる水風呂に入ると、ドーパミンという快楽物質が出て、サウナ依存症になるためおすすめしません。これはマラソンランナーが走らないとイライラするようになる現象と一緒です。施設側は、依存症を生む方がもうかるかもしれませんが入る側は注意した方がよいでしょう。