世界的権威がすすめる
厳選!簡単「ディスタンシング」4つの技術

 ここでは、この分野の世界的権威である、ミシガン大学イーサン・クロス教授がすすめる簡単「ディスタンシング」のテクニックを厳選して4つご紹介しましょう。[4]

 どれもこれまでの研究で科学的根拠が示されてきた方法です。

●1.自分を呼ぶ

 自分の心を外側から見る視点のきっかけをつくるのに、まずは、言葉を使ってみましょう。

 心の中で自分のことを名前で呼んだり、「君」「あなた」など他人を呼びかけるように呼んでみてください。

●2.友達に声をかけるふりをする

 現在の自分の状況を自分の友達が体験しているとしましょう。

 なんと声をかけますか?

 友達にアドバイスする気持ちで、自分の心と対話してみましょう。

●3.心のタイムトラベルをする

 1週間後、1ヵ月後、1年後。少し時間が経った時のことを想像してみましょう。

 その時の自分はどのように感じているでしょうか?

 そんな視点で自分の今の気持ちと向き合ってみましょう。

●4.壁にいるハエになる

 あなたは壁に止まっているハエです。

 そのつもりで、ハエの目線から自分が悩んでいる出来事を、視覚的に思い描いてみましょう。

 そのハエ目線で、その出来事の中にいる「自分」がなぜ悩んでいるのかを見つめ直してみましょう。

 このように、自分の心の外から自分を見つめ直すことで、ネガティブに立ち向かうのです。

 まさに心のための「幽体離脱」の厳選4メソッドをぜひ使ってみてください!

 今回はネガティブ思考を解消する、自分の気持ちに距離をとり、見つめなおすメソッド、「ディスタンシング」について解説しました。

『全米トップ校が教える自己肯定感の育て方」では、「ディスタンシング」についてより詳しく解説しております。

 また、私の処女作『スタンフォード式生き抜く力』では科学的な瞑想法なども具体的な方法を交えて解説しました。ぜひご活用いただけたらと思います。

 次回は、「脳科学が明らかにした自己肯定感とエクササイズのディープな関係」についてお伝えします。

 心と体は密接に関係しています。

 良いエクササイズ習慣が心の健康にもたらす影響は計り知れません。

 そして、それは自分自身の心と体だけではなく、子どもやその孫たちに「遺伝する」とまで考えられているのです。

「自己肯定感がアップする正しいエクササイズ習慣」を身につけたい方は、ぜひ次回の記事を楽しみにお待ちくださいませ。

【参考先】
*1 https://www.youtube.com/watch?v=wz-Wo6kUlc8
*2  E. Kross and O. Ayduk, "Chapter Two - Self-Distancing: Theory, Research, and Current Directions," in Advances in Experimental Social Psychology, Eds by James M. OlsonAcademic Press,2017, 55:81-136.
*3 Ranney, R., Bruehlman-Senecal, E. & Ayduk, O. (2017). A brief online intervention comparing the efficacy of teaching specific reappraisal strategies. Journal of Happiness Studies, 18, 1319-1338.
*4 Ethan Kross, Chatter: The voice in our head, why it matters, and how to harness it, 2021, Crown: New York