今年のロシアの実質成長率予測

今年のロシアの実質成長率予測出所:オックスフォード・エコノミクス

 経済制裁がロシア経済へ与えるダメージは甚大だ。10%を超える異例の利上げで金融面の大混乱は取りあえず回避しているが、実体経済への影響はこれから本格化していく。

 弊社経済モデルを用いて成長への影響をシミュレーションすると、今年は▲11%、来年も▲3%と2年連続で実質GDPは縮小を続ける。2桁の落ち込みはソ連崩壊後の1990年代初め以来だ。

 輸入も大きく落ち込むために純輸出は成長の足を引っ張らない一方、落ち込みを主導するのは設備投資だ。外資企業の相次ぐ撤退に制裁措置の効果も加わって、今年は3分の1近く減少する見込みだ。

 また、外資企業の撤退だけで100万人の雇用機会が失われると予想され、国内企業が景気後退で被る影響も加えると、失業率は年内に10%近くまで跳ね上がる。