一読のすすめ
要約では紹介しきれなかったが、非民主的で人口の20%が「西」に逃れた「東ドイツ共和国」や、ヒトラーがムッソリーニのために作った「サロ共和国」など、各国が「滅亡」した原因や経緯が端的に示されている。
その滅亡の多くには、戦争の惨禍や人間の愚かさ、欲深さが直接、間接に関わっていることがよくわかる。
著者は「驚くほど小さな国が誕生することもあれば、小国が巨大な帝国に取り込まれることもある。おそらく、こうした動きはこれからも続くだろう」と指摘する。混沌として不安定な時代を生きる今、あらためて心に留めておきたい一節だ。現代に通用する「温故知新」の知恵が詰まった一冊としてぜひお読みいただきたい。
評点(5点満点)
総合3.7点(革新性3.5点、明瞭性4.0点、応用性3.5点)
著者情報
ギデオン・デフォー(Gideon Defoe)
オックスフォード大学で考古学と人類学を専攻。
作家、アニメ脚本家。『The Pirates!』シリーズの原作者。アカデミー賞にノミネートされた『The Pirates! In an Adventure with Scientists』の脚本を執筆。その他の著書に『How Animals Have Sex』『Elite Dangerous Docking is Difficult』など。ロックスミス・アニメーションやスタジオカナルで映像作品の制作にたずさわる。
(1冊10分で読める要約サービス flier)