発展形ぶりっ子男子
警戒する昭和ますらおたち

 また、ぶりっこ男子は「はやり物に敏感」だそうだ。これらの特徴から彼らは女性の輪に自然に溶け込むことができ、女性からも恋愛感情抜きの友人として接しやすい。

 ここまで来ると、“ぶりっ子男子”は、 “多様性”が表す一形態だと思える。もしかすると「女性っぽい要素を備えた男性」は昔からいて、現代でようやく“ぶりっ子男子”なる呼び名がついただけなのかもしれない。
 
 しかし油断してはならないのは、モテまくっている著名アイドルや俳優にもぶりっ子男子の要素がたまに確認できる点である。彼らはキメポーズで、両手で左右の頬を覆ったり、話す際に萌え袖(手の甲または手全体を服の袖で隠している状態)を口元に当てたりする。

 そして彼らはイケメンであるから所作のすべてが女子からキャーと喜ばれ、ぶりっ子男子的所作がモテる男子の所作として受け入れられている状態が現出する。ここで昭和ますらおは再度ひるがえって、「何事か」と青筋を立てることになる。
 
 元々ぶりっ子男子は「モテるためにそうなっているのではない」ということで、同性としては容認しやすかったが、モテのためにその要素を取り入れた男性が「ぶりっ子もしてモテて――」となるのは “反感”という形で心が反応する。我ながら情けない品性である。
  
 しかし筆者は、あっくんを通じて一歩考えを進めることにした。自分の敵にも思える相手を理解し、受け入れる……すなわちぶりっ子男子、およびぶりっ子男子的要素を取り入れた若きイケメンたちを許容する方向である。
 
 すると、思えば自分も似たことをやってきてはいなかったか……という気がしてきたのであった。