全世界で700万部を売り上げた学び直しシリーズ、「Big Fat Notebook」の日本語版がついに刊行! 大栗博司氏(カリフォルニア工科大学教授)「この一冊で、科学の全貌が見渡せる。中学生のころにこんな本がほしかった」、市岡元気氏(教育系Youtuber)「学校で習う理科がこんなにおもしろいなんてアリエナイ!」、吉森保氏(大阪大学栄誉教授)「カラフルで面白い。ノート風なので読みやすい。大人の学び直しにも最適」と各氏も大絶賛。物理・生物・化学・地学の基本を楽しく一気読みできる本として、大きな話題を読んでいる。
同シリーズの科学版『アメリカの中学生が学んでいる14歳からの科学』の発売を記念して、本文の一部を公開する。

アメリカの中学生が学んでいる「物質」の授業【全世界700万人が感動した「科学」ノート】Photo: Adobe Stock

物質とはなにか

 物質とは、私たちが見たり触れたり、嗅いだり感じたりできるあらゆるものを指す。つまり物質は、質量を持っていて空間を占めているものである(空気などさまざまなものが含まれる)。

 物質の最小構成単位を原子という。原子とは、たとえば金属の塊を切り刻んで膨大な数の破片にしたときに、もとの金属の性質を持っているもっとも小さい破片のことである。

物質:質量を持っていて空間を占めているあらゆるもの
原子:物質の最小構成単位

 atom(原子)という言葉は、「分割できないもの」という意味のギリシャ語から来ている(ギリシャ人は粒子加速器を持っていなかったのだ!)。

原子モデル
 原子はさらに小さい粒子からできている(モデルとは、簡単には見ることのできないものを表すための方法である)。

陽子(正の電荷を持った粒子)
中性子(電気的に中性の、つまり電荷を持っていない粒子)
電子(負の電荷を持っている粒子で、質量はとても小さい)
アメリカの中学生が学んでいる「物質」の授業【全世界700万人が感動した「科学」ノート】

 原子の中心には、陽子と中性子が何個もくっつき合ってできた塊がある。それを原子核という。原子核は全体で正の電荷を持っている。電子はその原子核の周りを回っているが、あまりにもスピードが速いので正確な位置を特定できない。

原子核:原子の中心にあり、陽子と中性子からできている。

 現代の原子モデルでは、上図のモデルのように電子1個1個が描かれているのではなく、どの場所で電子が見つかりやすいかを表した電子雲が広がっている。電子雲が濃い場所ほど、電子が見つかる確率が高い。