国土交通省は燃料費高騰に苦しむトラック事業者を支援するため、燃料価格の上昇分を反映した運賃への見直しを行うよう荷主に直接働きかけを行う。中小零細企業が9割超を占めるトラック事業者は他業界と比べ、価格転嫁が進んでいない。このため、国交省では、地方運輸支局による荷主への協力要請を継続して実施するほか、本省の担当者が荷主を直接訪問し、運賃引き上げなどへの協力要請を行う。国交省担当者が荷主に直接働きかける“異例”の取り組みとなる。(カーゴニュース)
ウクライナ情勢で
燃料価格が先行き不透明に
長引くコロナ禍で景気の回復が停滞する中、トラック事業者の適正運賃収受に向け、全国の運輸支局では荷主への働きかけを強化している。2021年秋以降、22年2月時点で40件以上の懇談会を開催。地元商工会や農業団体に所属する荷主に向けて運賃の見直しへの協力を要請している。
そうした中、2月にロシアによるウクライナ侵攻が起き、燃料価格の先行きがいよいよ見通しにくい状況となったことを受け、国交省では本省・貨物課による荷主への直接の協力要請を開始。4月から5月にかけて長野県、茨城県の荷主を訪問し、運賃の見直しなどへの協力を求める予定だ。