新型コロナウイルス感染拡大によりロックダウン(都市封鎖)が実施されている中国・上海。封鎖から1カ月が経過し、食料不足や医療の制限など、市民の窮状が明らかになってきた。中でも厳しい生活を強いられているのが、上海で暮らす高齢者たちだ。食料が手に入らない、在宅介護を必要としている人が介護を受けられないといった事態に陥っている。(日中福祉プランニング代表 王 青)
ロックダウン下で孤立する上海の高齢者たち
「食料争奪戦」には参戦できず……
新型コロナウイルスの感染拡大により、ロックダウン(都市封鎖)が実施されている中国・上海市。当初の計画では封鎖は4日間とされていたが、ロックダウン後も感染者数が2万人に上る状況が続き、今も封鎖解除のめどが立っていない。
封鎖から1カ月が経過し、市民の不満はもう限界に達している。食料不足に陥ったり、感染対策のために病院で診療が受けられなかったりといったコロナ感染以外の二次、三次災害が相次ぐ。すぐに治療を受けられなかった急病患者が命を落としたり、痛みに耐えられず自殺したりするケースが出ているという。
そのような中で特に悲惨な状況に陥っているのが、上海に住む高齢者たちの生活だ。