ロシアの軍事侵攻後はドル高
円、ユーロの下落目立つ
ロシアがウクライナに軍事侵攻してから2カ月以上が経った。その間、ドルは主要通貨に対して上昇したが、豪ドル、NZドル、カナダドルなど資源に恵まれた国の通貨の下落幅は5%程度に収まる。一方で、ユーロ、英ポンドは5~10%程度下がり、日本円は10%以上も下落した。
ロシアの軍事侵攻を受けて、通貨が大幅に下落した国の成長率は、大きく下がると見込まれている。IMFは、4月に公表した2022年の成長率見通しで、米国を1月に比べて0.3%下方修正したが、ユーロ圏、英国、日本では1%前後も下方修正された。
日本円は、一時1ドル131円台と約20年ぶりの円安を付け、ユーロドルも1.05ドル台と2017年1月の1.03ドルの直近安値に近づく。ユーロドルは1.03を割り込むと、2002年以来の約20年ぶりの安値となる。5月4日に、EUがロシアへの追加制裁としてロシア産原油の輸入を段階的に停止すると発表したことは、今後のユーロ安要因となる可能性がある。