コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2022年1〜3月度のビール編だ。
ビール4社でキリンだけ前年実績割れ続くも
「独り負けは誤解」の事情
ビールの主要4社が発表した2022年1〜3月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯キリンビール(キリングループ)のビール類計販売数量
1月度:前年同月比96%(4%減)
2月度:同89%(11%減)
3月度:同96%(4%減)
◯アサヒビール(アサヒグループホールディングス〈HD〉)のビール類計販売金額
1月度:前年同月比114%(14%増)
2月度:同111%(11%増)
3月度:同115%(15%増)
◯サントリー(サントリーホールディングス〈HD〉)のビール類計販売数量
1月度:前年同月比109%(9%増)
2月度:同100%(増減なし)
3月度:同103%(3%増)
◯サッポロビール(サッポロホールディングス〈HD〉)のビール類計販売数量
1月度:前年同月比106%(6%増)
2月度:同88%(12%減)
3月度:同101%(1%増)
*「ビール類」とは、ビールに加えて発泡酒や新ジャンルを含む呼称。
*アサヒの月次業績データは数量ベースではなく「金額ベース」
22年3月において、キリンビールのみが前年実績割れを起こしている。しかし、この数字だけを見て「キリンが『独り負け』している」と考えるのは早計だ。実は、コロナ禍の影響を除いた実態値においてキリン以上にダメージを受けているのはアサヒだといえる。なぜだろうか?