米国でクレジットスコア(返済履歴などの信用度)の低い消費者による自動車ローン、個人ローン、クレジットカードの返済が遅延している。消費者向け融資環境が米史上最も健全な状態が終わろうとしていることを示している。信用調査会社エクイファクスによると、サブプライム(信用度の低い借り手)向けのクレジットカードと個人ローンで60日以上延滞している割合は通常より急速に増えている。こうした延滞率は3月、前月比での上昇が8カ月連続となり、新型コロナウイルス感染拡大前の水準に近づいた。多くの貸し手やアナリストは、延滞率はコロナ禍の間に低下していたため上昇するのは避けられなかったとしている。それでも、1980年代前半以来の高いインフレ率に直面し米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げに乗り出していることなどから、延滞率の上昇は投資家から注目されている。延滞率の上昇は、経済活動の大きな原動力である消費者にストレスがかかっていることを意味する可能性がある。