居住実態を偽ると税務調査の対象に!

 この特例を使うために、本当は住んでいないにもかかわらず、住民票だけを移し、形式上は住んでいるものと偽って、確定申告をする人が後を絶ちません。

 確かに、手取りで600万円変わるのは非常にインパクトが大きいので、何とかこの特例を使いたいという気持ちはわかります。

 しかし、居住実態を偽って特例を使うのは、節税ではなく脱税です。絶対にやめましょう。

 居住していた実態があったかどうかを、税務署は非常に厳しくチェックし、怪しいと判断されれば税務調査の対象になります。

 税務調査では、その物件の水道やガス、電気の使用量の確認、通勤通学定期の区間の確認、近隣住民への聞き込みなどをし、その人が本当に住んでいたのかどうかを徹底的に調査します。

 また、この特例はあくまで生活の本拠地があった場所を自宅として認定するので、例えば1週間~10日くらい泊まっていたからといって、そこが自宅として認定されるわけではありません。

 その方の衣服や寝室がその場所にあり、住民票の登録があり、実際に生活の本拠地にしていた実態が必要になります。
(本原稿は、橘慶太著『ぶっちゃけ相続「手続大全」ーー相続専門YouTuber税理士が「亡くなった後の全手続」をとことん詳しく教えます!』を編集・抜粋したものです)