独裁者である金正恩(キム・ジョンウン)総書記が国境閉鎖を決めたことで、新型コロナウイルス感染は発生していないと、北朝鮮は2年以上にわたって主張してきた。だがこのところ首都平壌を中心に感染が急拡大。今までの方針を変え、金総書記をより積極的に人民を守る人物として描くようになった。国営メディアは、正恩氏が夜遅く薬局を訪れて医薬品を確認したり、コロナのまん延を防ぐ対策を怠った当局者を叱責したり、建国以来最悪の危機だと述べたりする場面を伝えている。保健衛生の専門家はすでに北朝鮮の一部地域で感染が広がっていたとみている。だがコロナの猛威が明らかに首都に到来したことは、正恩氏にとってより深刻な問題だ。そこには権力掌握の基盤となる忠実な体制支持者が集まっているからだ。ワクチンを拒否する北朝鮮の姿勢が一段と平壌市民約300万人のリスクを高めている。
金正恩氏、コロナ逆手に危機対応力アピール
好機生かせば立場が強まる可能性も
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