中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸し出しの指標金利であるローンプライムレート(最優遇貸出金利、LPR)の5年物を引き下げる一方、1年物は据え置いた。これについてエコノミストらは、予想外の5年物引き下げによって、低迷する住宅市場が支えられる可能性はあるが、中国経済の苦境を和らげる効果は限定的との見方を示した。人民銀が今回も対象を絞った措置にとどめたことは、米国の金利上昇や中国政府の「ゼロコロナ」政策によって中国の政策担当者の打つ手が限られていることを浮き彫りにしている。先進国が急激なインフレと金利の上昇に苦しむ中、今年の中国の先行きを見通せないことが世界経済の成長見通しに暗い影を落としている。