政治家たちは、乳児用粉ミルクの不足に憤る母親たちをなだめようと躍起になっている。しかし、彼らに欠けているのは、鏡を見ることだ。粉ミルク不足を解決するには、その原因を生んだ政府の政策を修正する必要がある。この問題は、米アボット・ラボラトリーズのミシガン州の工場で製造された粉ミルクを飲んだ乳児4人が重体に陥り、同工場が閉鎖されたことに端を発している。アボットの製品は米市場の約42%を占めており、他の大手メーカー3社(ペリゴ、ネスレ、ミード・ジョンソン)は、それを補えるほど迅速に生産量を増やすことができていない。そのため、粉ミルク売り場の棚は空っぽになっている。そこでジョー・バイデン大統領は18日、国防生産法(DPA)を発動した。この冷戦時代の法律は、民間企業を動員して国防用の製品を生産させ、サプライチェーン(供給網)を再整理し、一部の顧客を他の顧客より優先させる権限を政府に与えるものだ。進歩主義者たちは、政府こそがあらゆる問題の解決策だと考えている。そのため、この法律はあらゆる品不足に対する、彼らのおなじみの救済策となっている。
【社説】米国の粉ミルク不足、責任は政府にあり
政治家は自分たちの政策に原因があることを黙認
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