西側諸国の経済制裁を受けているロシアで今、インフレが欧米の倍のペースで進行している。食品などスーパーに並ぶモノの価格が急激に値上がりし、人々の生活を直撃している。ロシアでは景気低迷のあおりで賃金が上がらず、消費者の生活は一段と悪化している。在庫が少なくなる中、現金を手元に置いておくよりも早く使ってしまおうとする人々の行動もインフレを加速させかねず、状況はさらに悪化するとみられている。政府のデータによると、1年前に比べ砂糖は7割弱、果物・野菜は約3割値上がりしている。食品全体では4月の上昇率は2割と、米国の2倍だ。パスタや穀物・豆類も3割以上価格が上がっている。ロシアでは家計支出に占める食品の割合が大きいため、値上がりの影響はより深刻だ。米農務省によると、平均的な家計支出に占める食品の割合は2020年時点で米国が7.1%、英国が9.4%だったのに対し、ロシアは約29%に達した。